3月6日(木),啓蟄の朝8時30分新大阪駅25番線ホーム.
「のぞみ2号」東京行き発車7分前に,僕はプラットホームに
たどり着きました.
昨年5月?以来の東海道新幹線.この度は業務上の出張での
新幹線.僕は座席指定を予約することなく自由席2号車の右側
に席を確保したのです.
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N700Aに初乗車! |
比較的
車窓が楽しめる
東海道新幹線.東京に
向かい静岡を過ぎたあたり
で右手前方の微妙な角度の
視界に入る
「富士山」が,
僕個人的には「お気に入り」
な富士山なんですが.
その日は珍しく書物に熱中し
てしまい,いつの間にか静岡も通過.富士川に気づいて
慌てて視線を左の車窓越しに振り向けると...
それまで新幹線の車窓からは目にした記憶のないほどの,
なんとも鮮明なそして大きくてまさしく「泰然」とした富士山を
眺めることができました!
左側2列座席からは携帯端末のレンズを向けて「パシャパシャ」
シャッターを切る音がそこかしこから聞こえてきます.
僕ももちろん写真に収めたかったのですが,通路側座席で居眠る
初老の女性客を叩き起こしてまで...と考え直し,自分のまぶたに焼
き付けるだけにしました.麓の手前に新東名高速道路の高架橋も
実にスッキリ見通せましたよ!
さて,東京でのミッションも簡潔に済ませることができ,次の目的地
「新潟」へ向け急ぎ東京駅へ引き返します.東京メトロ丸ノ内線は,
全駅で
「ホームドア」が設置されていましたが,驚いたのはワンマン
運転だったことです!ホームドア設置とワンマン運転は実はセットの
経営戦略からくる設備投資なのか?しかし,ローカル路線でも僕は
車掌さんの乗務しない列車は賛成できないんですが,こんな大都会
の地下鉄,それも
メイン路線のひとつが「ワンマン運転」だなんて!
少し(かなり)面食らいました!
※JR西はまさかまさか大阪環状線の「ワンマン運転」を目論んでいるのか?
上越新幹線「とき327号」新潟行き,予定ではその1本あとの「MAX
とき329号」に乗車するつもりだったのでいくぶん残念でしたが.
昼間は
東京~新潟直通の新幹線は1時間に1本が基本のようで,
さすが東海道新幹線の需要とその輸送量は桁違いなんだろう!と
ここでも
妙に納得しました.1年後には同じホームから金沢行きの
「北陸新幹線」も発着するようになるわけですが,東海道新幹線沿い
に暮らす市民の感覚とは全く違う
「新幹線像」を東北・上越・北陸の
各新幹線が新規開業したときに,沿線住民の方たちは抱いたこと
なんでしょうね...
新潟行き「とき」は,群馬県「高崎」駅で,左に
碓氷峠を越える北陸
(長野)新幹線を分岐し,いよいよ上越国境の山越えに挑みます.
ただ,知識としては知っていたとはいえ,山陽新幹線同様トンネルと
雪国独特の「スノーシェルタ」がほとんどの視界を遮り,車窓を楽しむ
どころではありません.ですが暗闇のトンネルを突き進む車内でも,
耳に「つーん」とくるあの感覚.国境を越えるために高度をどんどんと
稼いでいるのは体感できました.
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融雪スプリンクラー |
さて国境の長いトンネルを抜けると
そこは「越後湯沢駅」.標高は300
メートルを超え,一面の銀世界!
降りしきる雪と線路脇に設置されて
いるスプリンクラーから噴き出る水
の両方が客室の窓を叩きつけます.
豪雪地帯を時速200キロを超える
高速運転するわけですから.
この新幹線が開業にかけた新潟県民の方々の思いの丈を
ぶつけられている気分も味わえたと思います.
こんな感覚が味わえるのは,当たり前ですが実際に電車に
乗って実地に赴いているから.
23年前の2月に初めて在来線の上越線で新潟から群馬県に入った
ときのあの豪雪ぶりも.あの豪雪の中を電車が走ること自体が,僕に
は信じられないくらいの感動でした.厳しい大自然に負けずに列車を
走らせる鉄道マン達の熱い気持ちに感動した,というべきでしょうか?
東京を出発して2時間とちょっと.「とき327号」は横なぐりの雪の中,
定刻どおりに新潟駅11番ホームに到着しました.