「マニア」の響きに,何かと後ろ向きなイメージがつきまとい
ますが・・・
山桜にも見とれた「大井川鉄道」の番外編です.
先月の新潟の夜.思わぬ出会いに恵まれたお話もありました.
そんな出会いを期待した「掛川の寒い夜」について.
サザエさんのテーマ曲が聞こえてくるフロントでチェックインを
済まし,即外出しました.まずは城を目指したのです.
僕は「城マニア」ではないのです!ですがつい最近,仕事仲間の
大先輩が自慢の写真を披露されていました.そんな中の一枚に
碧く浮かぶ「掛川城」の写真がありました.
ホテルから歩いて10分ほど,掛川駅から北に延びる目抜き通り
をまっすぐ進めば程なく碧く浮かぶ掛川城が見えて参りました.
あの夜は寒かったんです,とっても((((>_<)))!!!ご記憶にありません
か?日本列島(どちらかというと西日本)花冷えだった日曜日!
※実はボツボツ日が傾いた頃の帰りのトロッコ列車,冷暖房ナシ
の車内で独りブルブル震えておりました!
写真ですので,
アップではご覧
にならないでく
ださい.ライトに
照らし出された
木造の天守閣.
訪ねた日が偶
然,夜間拝観
の最終日だっ
たのです.
天守閣の最上
層で手持ちぶさたの観光ボランティアのおじさんが,手ぐすね
を引いて待っていたかのごとく僕にすり寄ってきました.
「山内一豊が云々,高知城と内装が同じ,平成6年に市民の熱意
で再建された木造の天守閣...」矢継ぎ早に説明が飛び出します.
僕は通過する新幹線室内灯が流れる様を,眼下に眺めながら,
半分くらいは東から西へ聞き流していました・・・(おじさん、ごめんなさい!)
「ところで掛川といえばこれ!っていう食べ物は何ですか?」
と,僕はいま上がってきた石段の麓のほうから聞こえてくる三味線
のメロディにも気を取られながらおじさんに尋ねました.
「それがねぇ~.掛川は海からも離れていて,食べ物には貧しい
土地柄なんだよねぇ...」とため息混じりに答えてくださいました.
「でもねぇお客さん!地元の同好会が今日は津軽三味線のライブ
をやってるから聴いて帰ってくださいな!」僕は会釈をして城特有
の急な階段を降り天守閣の最上層をあとにしたのです.
寒かったぁ~!オリオン座も半月も夜桜も鮮烈でしたが,ともかく
夜風が冷たかった!そんな中,20名ほどの観客に向け懸命に演
奏されている同好会の皆さんを撮影したのが上の1枚です.
スピーカーから響いてくる大音量にはほんのちょっと興ざめでした
が,滅多に耳にすることのない津軽三味線の調べにしばし気分は
青森になりました.スピーカーはない方がよかったんじゃないでしょうか?
「夜桜に 津軽三味線 暖を添え」 一句ひねってみましたょ♪
さぁ,晩ごはんは何を食べましょうか?
昨年宿をとった美濃加茂市ほどは困りはしませんでいたが,掛川
市中心部も例外ではなく,人影もまばら,開いている店もチラホラ.
チェーン店系の居酒屋などには目もくれず,駅前にあった小料理
屋風のお店に飛び込みました.
「うーん」やはり掛川名物はどうもないみたいです.本当は天守閣
のおじさんに「いも汁」なる郷土料理を教わっていましたが,その
お店のメニューには載っていなくて・・・モヒカン頭の板長とカウン
ターにトコロ狭しと並ぶ乙類焼酎の一升瓶越しに対峙.他に客は
なく・・・駿河湾名産「桜エビ」のにぎりを食して早々に退散しました.
「桜エビ」やったら10年くらい前に焼津港の市場を訪ねた際に,
ビールとともに(当時!)頬張った記憶が・・・
気を取り直してもう一軒!同じ駅前でも東側.「消費税値上げは
せずに頑張ってます!」の立て看板に心意気を感じてガラガラ,
と引き戸を開けましたが・・・
あらら,ここもお客さんが1人もいない!つまり話し相手がいない!
おまけに静岡ローカルFM局が店内のBGMで,いきなり杏里の別れ
系の曲が流れた!と思えば知らない女性シンガーが唄う同曲のカ
バーが立て続けに流れ・・・いやいやこうなれば静岡名物!
店内の壁に貼ってあった「静岡(しぞーか)おでん」と「浜松餃子」
を注文.そやそや浜松餃子は,今朝浜松駅ホーム売店でも見かけ
て気になってたし!さぁ・・・!
カメラに収めるのはやめました.
僕個人的にはおでんにイワシ系の粉末をふりかけるのはやめにし
ていただきたかった!ギョーザも,餃子も・・・OH~SHO~!
味はご想像にお任せします.あくまで僕の主観的な感想に過ぎま
せんので.でも,これは全国区となった「富士宮やきそば」を注文
する「気」は正直とっくになくなっていました.
日曜の夜,広い店内に独りポツンと.「慣れない」味付けに動揺を
隠せない中年男の図.
「え」になんないなぁ~
※若い店長曰く「しぞーかおでんっていえばこの味なんですよ!」
ですって.それはそれで全然オッケーなんですョ!