謎かけのような投稿タイトルですが,僕なりの座右の銘です.
日本国憲法を履修したのがいまから21年前の平成3年.
恥ずかしながら,高校で学んだ「政治・経済」の知識が幸いし,
単位を取るのに苦労はしませんでした.
でも,単なる知識ではなく,基本的人権や主権在民の歴史的な生成の
経緯を本格的に教わったのは,現在は司法試験塾を主宰する「伊藤
真先生」のビデオ講義を受けた平成5年,大学3年のときでした.
(高校の政経の授業でも学んだハズなんですが,それはともかく…)
では,日本史・世界史についてはどうか?
自らに問い返しても,何の自慢にもなりま
せんが「学んだ」という記憶がありません.
むしろ「覚えた」としか言いようがない,と
いうのが実情でしょう.
左の文庫3冊は、僕の日本史の歴史観の
大きなTurning Pointとなった3冊です.
まずは山岡荘八歴史文庫「織田信長」(5分冊).入口としては順当な選択
でしょう.男子なら,まずは戦国時代のヒーロー信長に興味を持つものです.
しかしまだ,中学生であった少年は「歴史小説」ですら,その著者の歴史観
に基づいて記述されたものである,というころまでは考えが至りません.
ときは流れて,20代後半.僕は井沢元彦氏の「逆説の日本史」シリーズと
出会い,衝撃の第一波を受けました!その序論で「中日ドラゴンズの論理」
というものを引き合いに出し,史料を絶対視することへ,筆者なりの「警鐘」
を鳴らしていました.はてな?歴史の教科書(Y川出版社)に記されていた
ことは,史実ではなかったのか?
次に,30代前半に出会ったのが関裕二氏の「聖徳太子は蘇我入鹿である」
とこれまたショッキングな題名の文庫に躊躇なく手が伸びました.
僕たちは,小学校の頃から歴史を教わりました.
でも,その「歴史」とは「史実」ではなく、その善し悪しは別として何らかの
歴史観に染められた「考え方」を,まだ新鮮で吸収力のある脳に叩き込まれ
ていたに過ぎなかったのです!
翻って、今年放送中の大河ドラマ「平清盛」.次週はいよいよ「保元の乱」.
歴史の常道ですが,必ず歴史の勝者側の視点から綴られた歴史書のみが
後世に伝わる.この原則さえ前提にできれば,敗れた側を主人公にした
今年の大河ドラマが,僕の心をつかんで離さないのです!
そして,近代史.2週前まで放送されていた「開拓者たち」.
戦時中の東北の貧しい農村から,満州に渡り開拓団の妻となり,敗戦後
当時の関東軍に見放された人たちが,命からがら日本に戻り,帰国後も
栃木県那須の国有地を開墾して,生き抜いてきた人たちにスポットを当て
たドラマに,毎週ドラマの最後に涙がにじんでとまりませんでした.
つまり,本当の歴史,「史実」はどうだったのか?
僕たちは,いかに「史実」を学ぶ機会を得なかった,目を向けてこなかった
か?を30代後半になり痛切に感じる番組が,いま,どんどんTV番組で
放映されています.
歴史教育がいかに大切か?不幸にも私たち日本人は,昨年の3月から
紛れもなく「歴史の目撃者」として生きています.
時の権力者に都合のいい部分だけでなく,「臭いものには蓋」をしない
歴史に学ぶ姿勢が,今も過去も,そして将来も,求められている気がして
なりません.
※僕は世界史を「科目」として学んだ経験が無いので世界史は「全くダメ」です><!