4~5年前の話です.
当時僕は,南海本線の「忠岡」駅が最寄りの岸和田市に住んでいました.
ある休日の昼下がり,大阪に出ようと「忠岡」駅から普通電車に乗り込み,
次の泉大津駅で,空港急行なんば行きに乗り換えるために席を立とうと
したときの出来事です.
ふと,僕の横には20代と思しきカップルが,路線図を握りしめて周囲を
ジロジロと見回していました.
僕は「ピーン!」ときたのです.その普通電車は関西空港発なんば行き.
同じ肌色の若い二人が持っていたのはハングル文字の路線図.
なんば行き特急が通過した後,僕はすかさず声をかけました.
"Can I help you !? Do you go to NAMBA??"
二人とも不安げな目つきで僕を一瞥してから,コクンと頷いたのです.
「やっぱり!」と,心の中で叫んで,続けました.
ホームには間もなく空港急行なんば行きの到着アナウンスが流れ,入線
してきた急行電車を指差しながら,
"This train stops all stations. That train is Express train for NAMBA!!
Exchange to Express train!! Hurry up!!"
と二人を急かしました.「KIX」の札の付いた大きな荷物を抱えた二人は,
僕に急かされるまま,同じく空港急行に乗り換えました.
僕の拙い英語が通じたのか?通じなかったのか?二人が無事なんばで
降りたのかどうかはわかりません.(降りたでしょう,終点やし)
でも,各駅停車とは知らず,延々と関西空港から乗ってきた二人は,
きっと違和感があったに違いありません.
偶然,その各駅停車の20分後に,関西空港駅を出発した空港急行に,
泉大津で追いつかれたところを,僕に気付かれ乗り換えたのです.
とても,不思議な感じでした.
同じ肌の色をしていて,同じ顔をしていても,民族も違えば,言葉も違う.
アムステルダム・スキポール空港経由でミラノ・リナーテ空港行きのアリ
タリア航空機に乗り込んだ際の不安感が頭をよぎったのです.
僕の目には,欧州も米国人も同じ白人に映ります.
でも,その航空機内では,「イタリア語」と「英語」のアナウンスしか流れ
ませんでした.陸続きで同じ白人なのに国境をまたげば,言葉も文化も
変わります.
世界の共通語ともいえる「英語」の威力!
海外から日本にやってきた旅行客に,これからも,少しでも話しかけて
いこうと思います.
ちなみに,空港急行の英字表記は「AIRPORT EXP.」
もっと外国人に優しい案内が他にあるのではないか?とたまに思う
今日この頃です.