実は(が多いですね!)火曜日の夜10時のドラマについて,なの
ですが.偶然にもさきの日曜日に「河内永和」に行く直前の投稿が
「罪」について,という内容でした.
僕はその投稿で,刑事裁判(少年事件も含む)における事実認定
の難しさを訴えたかったのと,もう一つ.
そのもう一つのエッセンスが,26日夜10時のドラマに凝縮されて
いましたので,「くどい!」とのお叱りを覚悟で再度,僕の思いを綴
らせていただきます.
そのドラマをご覧になっている方にはさらにくどい説明になりますが,
僕なりに簡単に要約しますと,刑務所から出所した「前科あり」の
人間の社会復帰の困難さをテーマにした,とてつもなく非常に重い
内容のドラマなのです.
私たちは日ごろから何気なくニュースなどを通じて刑事事件の報に
触れています.サスペンスドラマにおいても然り.
事件が発生した!(正確には発生ではなく「認知」された!)
被疑者(あくまで推定無罪)が逮捕(検挙)された!
その被疑者が送検・起訴された(刑事裁判にかけられた)!
刑事裁判を通じて有罪(あるいは無罪)の判決が言い渡された!
仮に判決が「死刑」なら・・・思い出した頃に「死刑が執行された」との
ニュースが不思議なほど大々的に報道されています.
皆さん,何かお忘れではありませんか?
日本には「終身刑」が存在しません.
つまり,「罪」について,の頁で掲載しましたコミックの主人公の判事
の台詞をお借りしますと,仮に刑務所に収監された人間は,監獄内
で病死でもしない限り,必ず社会に戻ってくるのです!
いつかは「誰かの隣に住む」.
この現実を意識されている方が,どれほどおいででしょうか?
では,刑期を終え,出所した人間は,もう一般社会人として,社会
に受け入れられている,とお考えでしょうか?
「そんなことありませんよね!」
逮捕、の報道がなされた段階で,実名で被疑者名がマスコミの電波
に乗って拡散し,まったくその事件に無関係なほぼ大多数の人間に
まで,推定無罪の人間をあたかも「有罪が確定したかのごとく」意識
させている,現実.
どれほどの事情(動機・背景)があって犯罪を犯した(とされる)かも
しれない人間を,半永久的に「あいつは『犯罪者』だから」との烙印を
押している,現実.
じゃぁ,いったい「刑事裁判」「刑事手続」とはいったい何のため
に存在しているのか?
一度,罪を犯した人間は,国家から刑罰権を発動され懲役刑を受け
た後も,ずっと「犯罪者」の烙印(スティグマ)を背負って生きてかなけ
ればならないのであれば,国家の刑罰権とはいったい・・・
もちろん,社会の秩序を守るため,応報刑,教育刑・・・などいろいろ
な考え方があるのは百も二百も三百も承知しております.そのような
考え方にこの場で異を唱えるつもりもサラサラ・毛頭・全くないのです。
偶然ですが26日火曜日にとある受けた講座の内容に「悲惨な隣人
訴訟における解決」という項目もありました.
民事紛争・民事訴訟でさえも,隣人関係をいとも簡単に破壊させて
しまうのです.
ならば,紛争の解決,に法律や法的手続はいったいどれほど
の効果があるというのか?
本当の紛争の解決,のために,本当になし得ることとはいったい
何なのか?
このテーマに当分はアタマがいっぱいになっています!
※刑事事件(紛争,という表現が相応かどうかは別として)の解決
手続は,司法・行政・警察権力の専権事項で,民間人による自力
救済は認められておりません.
※民事紛争においても,民間人どうしといえども,相手方の意向を
無視した自力救済は禁止が原則です.
ドラマは,おそらくドラマチックな結末が用意されているんでしょうね・・・