いきなり
訳の解らない謎解き
Q!!のような投稿タイトル.
鉄道ファンの方ならおそらくご存じでしょう(^_^;)
日本随一の大幹線「
東海道本線」の駅.
単線の駅でありながら,
西向きの下り列車しかやってこない.
しかも,そのほとんどが通過する列車.僕の記憶では停車する
普通電車は一日に6~7本だった(過去形)でしょうか・・・(?_?)
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日本鉄道旅行地図帳全線全駅全廃線<増結>新潮社P.42より抜粋 |
その駅とは大垣~関ヶ原間の「
新垂井駅(廃駅)」なのです.
天下の東海道本線で,西向きの下り列車しかやってこない!過去に
そんな
珍奇な駅が存在していました.
もう一度,上図の大垣から関ヶ原に向かう線路をご覧ください.
ほぼ西へ直線上に次の駅が「垂井駅」.その次が「関ヶ原駅」で
すが,北側に迂回する線路が現在も敷設されています.
この迂回線路は,大垣から関ヶ原への急勾配の上り坂を,北に
迂回し距離を稼いで勾配を緩くするためのバイパス線です.
重量級の貨物列車などが,現在も垂井駅経由の急勾配を避けて
北側の迂回ルートを走っていますが,その途中に「
新垂井駅」が
かつてありました(昭和61年10月末で駅のみ廃止).
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新潮文庫・偶然! |
ではこの投稿では何故いまはなき「
新垂
井駅」を取り上げたのか?と申しますと.
左の文庫は,僕が中学一年生(昭和60年)
のとき,作家西村京太郎と初めて出会った
一冊なのです.この一冊を皮切りに,中学
三年間は「
トラベルミステリー」にどっぷり,
浸かっておりました(-_-;;)
故・三橋達也演じる十津川警部,愛川欣也
演じる「カメさん」こと亀井刑事,森本レオも
西本刑事を演じていた「
土曜ワイド劇場♪」
を,テーマ音楽と共にご記憶の方々も多い
ことと存じます.
ストーリーは,東京を夜出発,東海道を下る「
ミステリー列車」(夜行)が
定刻になっても京都駅に到着しない?犯行グループが数百名の乗客を
身代金目的で誘拐.しかし,その日は
九州から大阪到着の同じブルー
トレインを担当した清掃グループが向日町の運転所で
2グループあった!
おかし~,さて,
東京発のミステリー列車はどこに消えたのか??
ちょっと,考えられないシチュエーションですよねぇ~!
東海道を下る列車が京都駅に到着しない段階で,大ニュースになる
ハズ!しかも,早朝に,鉄道ファンが下車を不審に思わない,上り
ホームの乗客に気付かれずにミステリー列車から下車できる駅・・・
そこで乗客誘拐の舞台に白羽の矢が立ったのが,「
新垂井駅」だった
のでした.確かに・・・単線の路線は数多あれど,①下り列車しかやって
こない(上り列車ホームがない)②周囲に人家が少ない③鉄道ファンが
興味を持っても不思議でない,こんな駅は「
新垂井駅」しかないです・・・
まぁ,この小説について,というよりは西村京太郎のトラベルミステリー
には,数々の批判が寄せられていました.その非現実的な設定から・・・
そのあたりについては,また機会を改めて投稿したいと考えております.