下記①~③のとおり,三重県下に3つあります.
①北勢線 (西桑名~阿下喜 20.4km)
②内部線 (四日市~内部 5.7km)
③八王子線 (日永~西日野 1.3km)
いずれも,軌間(線路の幅)が762mmであるため「ナローゲージ」とも
よばれている鉄道です.
この3路線のうち,①の北勢線は平成15年(2003)年に「三岐鉄道」に
譲渡され,近鉄のナローゲージは現在②③の合計7.0kmのみとなって
おります.
キッカケは,土日の京都研修の往復で,京都市営地下鉄に乗り入れて
いる近鉄電車の吊り広告を目にしたときでした.もちろん,イメージ・
キャラクター女優D・Rさんのお顔を拝見していたのですが,そのお姿の
隣にホワイトとオレンジのツートンカラーの「伊勢志摩ライナー」が目に
とまったのです!「はて・・・?」さっそく近鉄のHPをチェックしました.
結論は「リニューアル伊勢志摩ライナー」だったのですが,そのトップ・
ページのお知らせに以下の記事がありましたので,以下にその全文を
転載させていただきます.
平成 24 年 8 月 24 日
近畿日本鉄道株式会社
内部・八王子線に関する当社の考え方(お知らせ)
内部・八王子線(三重県四日市市)は、年間ご利用者数がピーク時(昭和45年度)
の722万人から、平成23年度は363万人と半減し、収支面において大変厳しい
状況で、恒常的に赤字となっております。
当社では、これまでワンマン運転化や駅員の無配置化など、様々な経営改善に努め
てまいりましたが、赤字の解消には程遠く、近年も毎年3億円弱の赤字が続いており、
このままの形態で内部・八王子線を存続することは困難であるとの判断に至りました。
当社では、内部・八王子線が沿線地域の移動手段のひとつとしてご利用いただいて
いることに鑑み、内部・八王子線の輸送機能を可能な限り今後も維持してまいりたい
と考えております。
このような現状を踏まえ、この路線の赤字発生を最小限にして持続可能な仕組みと
するために、輸送形態の抜本的な見直しが必要と考え、その具体策として、現在の軌
道をバス専用道として再整備し、「バス高速輸送システム(BRT)」として運行する
ことを四日市市様にご提案しています。当社では、周辺道路と切り離してバス輸送を
行うことにより、現在の内部・八王子線が有する輸送力を確保できるものと考えてお
ります。
なお、この「バス高速輸送システム(BRT)」を導入し、路線の赤字を縮減するために
は、地方交通の維持・再生を目的とした公的補助をお願いしたいと考えております。
当社では、四日市市様に対して、当社の提案をご検討いただき、来年夏までに今後
の方針を固めていただくよう、お願いしております。
以 上
※赤字:筆者注
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(上)西日野駅,(下)日永駅構内 |
廃止し,その線路敷跡をバス専用の
道路に再整備する,という方針を近鉄
が打ち出した!ということです.
左の写真は,僕が高校2年(1989)の
大晦日に,②内部線と③八王子線を
乗車した際に撮影したものです.
普段皆さんがお乗りになってる「電車」
と比較するとずいぶん小ぶりな「電車」
だ!と,お感じになったのではないで
しょうか?
実際の電車幅は阪神なんば線を走る
近鉄電車(約2.8m)に比べ,その4分
の3の約2.1mしかありません.また,
線路の幅も,阪神なんば線~名古屋線
の1435mmの約半分,762mmしかない,
ミニサイズの鉄道なのです.
乗り心地はお世辞にも「良い」とは言えませんでした(①三岐鉄道北勢線も).
近鉄は純然たる「私鉄」ですので,赤字の路線を運営し続ける義務はありません.
![]() |
車内幅も路線バスなみ? |
でも僕が気になったのは,わずか片道6キロに満たない
路線にバス高速輸送システムという文言を用いて,鉄道
の廃止を予告する,その発想です.
「BRT」については,8月に東日本大震災で不通のまま,
1年半近く「放置」された,JR東日本の気仙沼線の復旧
方法として実際に用いられた事実をご紹介しました.
近鉄が,経営の厳しいローカル線を分離させて,路線の
存続を図っていることは僕も十分に承知しております.
でも6キロの区間に「バス高速輸送」という言葉を用い,沿線利用者を納得させよう,という発想は,幾分,市民の目を欺く,多分にお役所
的な意図を感じるのは,僕のひねくれた性格が,そうさせるのでしょうか.やはり?
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