2012年8月18日土曜日

涙がつたう、両頬、胸、腹

昨夜10時からNHKSPで「復元納棺師」の方のドキュメントを,ご覧になった
方もいらっしゃることと存じます.
番組の内容については,ここでは改めては述べません.
ただ,番組が始まってから,言葉が出なくなりました.本当に「胸が詰まって」
ため息すらも出てこない.
涙が,自然と僕のシミとシワが増えた両頬を「つー」っとつたい,ぽとっ,と胸
に落ち,さらに腹につたうのを何度も,何度も,感じました.

僕は昨年「メンタルケア」の講座を受講しました.
昨年は東日本大震災の直後の開講,ということもあって,いつもの年より,
ずいぶん多くの受講生が詰めかけていた,とのことでした.

僕がその講座を知ったきっかけは,2010年11月19日の新聞記事.
「悲しみケア 対話の力」
附属池田小学校の遺族らNPO~「温かな社会つくりたい」~で,
「精神対話士」という民間資格を初めて知ったとき,だったのです.

早速,受講を申込し,4月から7月まで週1回のペースでエルおおさかまで,
自転車を飛ばしておりました.
基礎課程と実践課程がありましたが,まず基礎課程の講義カリキュラムと
講師陣は以下のとおりです.
① 精神対話総論  (メンタルケア協会)
② 死生論Ⅰ     (関西学院大学神学部教授)
③ 看護と介護     (元神戸○○病院看護部長)
④ 死生論Ⅱ     (宇治平等院住職)
⑤ 小児心理     (大阪教育大学教育学部教授)
⑥ 精神保健     (和歌山県立医科大学教授医学部教授)
⑦ メンタルケア論Ⅰ(老人保健施設 施設長・精神科医)
⑧ メンタルケア論Ⅱ(大阪大学大学院文学部研究科教授)
⑨ 青少年の心理   (大阪教育大学学長)
⑩ メンタルケア論Ⅲ(関西大学名誉教授・元日本笑い学会会長)
⑪ こころの科学   (大阪府立大学看護学部教授)
⑫ 脳と記憶     (大阪大学大学院生命機能研究科教授)
⑬ 法と生命倫理  (神戸大学大学院法学研究科教授)
⑭ 格差社会・文化・心 (京都大学名誉教授)
⑮ 人間論      (京都大学名誉教授)            以上です.

僕の来し方をご存じの方々には,上記のカリキュラムが如何に僕の来し方と
「無縁な世界」であるかは,僕から逐一ご説明するまでもなくおわかりいただ
けるものと存じます.(この中で唯一⑬法と生命倫理は「刑事法」の講義でしたので・・・)

「死生論」の講義では,新約聖書の解釈,仏教における臨終とは.
など,それはもう僕の理解力をはるかに超越する,といいますか異次元空間
に漂っているかのような「錯覚」を味わうほどでした.

人間はいつか必ず死を迎える」だから「死に急ぐ必要はない
それでも僕が,かすかに感じ取った,頭に描くことができた「死生観」です.

たとえそのような死生観を,自分の中に描くことができたとしても,やはり,
災害による「予期せぬ死」に直面した人々の衝撃の大きさは,およそ自分の
拙い語彙力で言い表そうなどとは,おこがましい.

僕は,正月に始まり,祥月命日,誕生日,お盆,結婚記念日,墓参り,大晦日
などの年中行事を「来年は,いまの家族で迎えることは出来ないかもしれない」
と感じながら過ごすようになりました.





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