2012年4月9日月曜日

学ぶに如からざる也

ご存知「論語・衛霊公篇」の一節であります.

昨晩のNHKSP,オープニングは和歌山串本の「橋杭岩」
僕も,過去の旅行で電車の車窓から,もしくはドライブの車中から,何度も
目にしたことがあります.

しかしこの「橋杭岩」.やはり「弘法大師」が橋を架けるために置いた巨石,
などではなく,過去の巨大津波がもたらした結果もしれない!とは昨年の
大震災を契機に研究が始まったばかり,だとか・・・

昨夜の番組では,過去の先人たちの残した記録を見直そう,という動きが
これもまた昨年の大震災を経て始まったばかり,だとも・・・

X軸は北?南?」の頁で記しました,公開講座「東日本大震災より学ぶ」

仙台からお越しになっていた講師のS先生は,仕事柄,その土地の地名,
とくに「小字」にその先人の言い伝えや歴史が刻まれていることに,何故,
これまで目を向けてこなかったのか!と,ひと際その穏やかな口調の中
でも力を込めておっしゃっていました.
そのS先生が,この度の巨大津波災害で,自宅を流失した被災者からの
依頼で「建物滅失登記」申請で調査をすると,その建物の所在の小字は
流レ(ながれ)」だったそうです.
また,仙台市内の「浪分神社」は貞観津波の際に,ここまで津波が押し
寄せてきた言い伝えがある,とはS先生の講座から教わりましたが,昨夜
のNHKSPでも,全く同じ「浪分神社」のことが取り上げられておりました.

如何に先人たちの言い伝えを学ぶことが大切であるか?

この「温故知新」などという四字熟語に代表される古人の言を紐解く姿勢.

科学や理屈ではない,古人の言行を学ぶことに回帰することの重要性.

そして,土地の履歴を遡る,考古学的要素も含有する業務にも取り組む
私たち土地家屋調査士」にできることは何か?
S先生は最後まで穏やかな口調を崩すことなく,熱く訴えておられました.